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■審判の季節

600年ほど前に原因不明の大災害。

隕石群の落下による地表破壊、そしてそれに続く地殻変動をはじめとするあらゆる自然災害が続いた結果、地上は一変。わずかな人類を残し文明も崩壊。復興を遂げるまでに数百年かかる地球規模の大災害となった。

 

■大空洞

審判の季節の際、大型隕石が落着した場所。桁違いのラウズ鉱石反応が確認されるため各勢力が大軍を率いてクリプテッド討伐に進軍するものの未だ人類が攻略出来ていない地域。

かつてのオーストラリア大陸にある。

 

■ワイズ連邦

旧アフリカ大陸、旧アジア大陸を中心とする巨大連邦国家。旧アジア大陸の大国ゴートワルナ、隣国のゼアルド、そして砂漠の国イルレファーン。当時爆発的に勢力を拡大していたフェイエトール帝国に対抗するために3大大国が中心となり周辺諸国や共同自治体が同盟を結び発足された巨大構成体。比較的復興が早かった東半球に存在する国家を中心に構成される。

しかし長期間続いたシステムはほぼ形骸化しており、構成国同士の異民族間紛争や国境をまたぐラウズ鉱石採掘地の利権をめぐるエネルギー戦争も少なくない。

連邦政府が保有する戦力として連邦軍が存在しているが、主権国家3国を筆頭に独自の軍を保有している国家も多く存在する。

帝国への巻き返しを図るためリーパー、グリムリーパーを開発、いち早く戦場へ投入したが、そのアドバンテージも一時的なものだった。

現在ではαグレードを超えるグリムリーパーを開発中との噂もあるが、真偽のほどは定かではない。

 

■フェイエトール帝国

旧ヨーロッパ大陸と地殻変動で地続きになった旧グリーンランド地方を統一した地球圏最大の単一超大国。

ローランシア皇帝、ノヴム·ロマエ16世が統治する。

皇帝任命権を持つローランシア教皇と最高権威を二分する。

広大な領地は封建体制のもと統治されているが、長く続く皇帝派と教皇派による叙任権闘争のなか各地の諸侯は領地支配における特権を拡大しており、半ば独立した政体になっている。

更にそれらの諸侯が領地を足がかりに独立戦争を起こすなど常に内紛が頻発しており決して一枚岩ではない。

国としての主戦力は帝国軍だが、皇帝直轄の皇帝騎士団、教皇直轄の聖堂騎士団をはじめ各地の諸侯領地、都市も独自の騎士団を保有している。

更に皇帝は国家からは独立した私設騎士団「13ブレイズ」を所有しているが、皇帝自身が直接任命権を持つこの騎士団は出自を問わず皇帝自身が認めた強さを持つ者で構成される。

バルムンク発祥の地でもある。

 

■キャスレーン共和国

優れた技術力を持ち、その能力を世界復興に向けて行使する環境を育むため両陣営から永世中立国に指定されていた国であるが、より大国へと変貌を遂げるため改革推進派によってクーデターが勃発する。その後「キャスレリア」と名を変え、軍需産業大国として世界のパワーバランスを一変させた。

世界に兵器を蔓延させた死の商人、現在の戦乱を招いた元凶とも言えるが、その技術力によって社会の発展に大きく貢献しているのも事実である。

 

■倭ノ國

四方を海に囲まれた島国。かつての日本。旧世界崩壊時に四方を囲む海底に断層が生じたため潮流が激しく海路での往来が困難で、航空技術が復活するまで長く外界との断絶が続いていた。

非常に優れた剣術を体得しており独自の死生感を持つ侍と呼ばれる戦士や、隠密や暗殺などを得意とする忍など、他国には存在しないスキルを持った傭兵が多数存在し、傭兵業そのものが国益の一端にもなっている。

また、自身が認めた主のためには己の命も顧みないという任務に対する強い使命感を持っているため、侍や忍を傭兵として側に置ける事は雇用主のステータスにもなっている。

同様に侍や忍が使用するエグゾスケルトンやグリムリーパーも倭ノ国独自の様式美と職人による高い技術力で作られており、生産数は極端に少ないが各国の垂涎の的である。

侍の死生観、思想は騎士道に通じるものがあり、フェイエトールとは親交が深く、その出自を問わない皇帝直轄騎士団「13ブレイズ」の歴代騎士団長にも倭ノ國出身の侍が数人着任している。

 

■サルーデ国

軍需産業が発達した連邦非加盟国。武器輸出が国家の財政のほとんどを賄っており国も軍需産業を推奨しているので、表立って兵器開発、製造の出来ない国の格好の隠れ蓑になっている。

政府とも繋がっているサルディアンマフィアと呼ばれる巨大カルテルが裏社会を仕切っており、ここを通して資金洗浄や偽装工作が行われる。

中立国キャスレーンの改革推進派が武器開発のため設立された企業「D&H社」も彼らの手引きにより巧妙に繋がりをカムフラージュされている。

 

■傭兵ギルド

軍や民間企業に所属しないフリーランスのバルムンク、およびリーパー、グリムリーパー乗りで構成される組織。傭兵同士の互助会。

主に都市、自治区など、稀に軍や国からミッション単位で仕事を請負う。その内容は護衛やクリプテッド討伐、用心棒まがいの仕事まで様々であり、報奨金という形で報酬を得ることを生業としている。

数人~数百人単位のギルドが存在し、仕事を請け負う場合はチームまたは個人でそのミッションに従事する。

組織同士の戦争代理から表立って公表出来ない戦闘の代理、採掘場の護衛まで、ミッションの内容は多岐にわたる。

 

■PMC(民間軍事会社)

国軍への軍事教練、援軍派兵、警備活動、兵站、後方支援、要人警護、国軍を持たない小国への派兵等、主に国家を雇用主とすることが多いが、企業や個人でも業務を請け負う。GKIサービス、プロディジー・ウルフ社、エアリアル・セキュリティなどが有名で、大手であればオリジナルのグリムリーパーを所有するほどである。

 

■エグゾスケルトンシステム

フェイエトール帝国技術局第14支局、通称「再生局」より「兵士1人1人の戦力の向上を図る」ために提案された「エグゾスケルトン計画」により産まれたサイバネティック技術の応用による強化外骨格スーツとその制御システム。

着用する者の体内にインプラント施術で埋め込まれたナノサイズデバイス、通称「宝玉」でスーツを制御する事で超人的な戦闘を可能とする。

機械的に着用者のパワーを増強させるため、非力な者でも脅威的なパワーを発揮できる。そのため戦闘の際は戦闘センスや才能、スーツや携行している武装の性能、それらとの相性や熟練度が優劣を決める。

メーカー、モデルによって特徴は様々だが基本的には汎用性が高く、各所に設けられたハードポイントに各種装備をセットすることによって様々な作戦、用途によってカスタマイズすることが出来ることも特徴の一つである。

現在では民間でも広く使用されおり、軍などの組織よりもむしろ個人のスキルが必要な彼らの方が積極的にスーツを自分好みにカスタマイズしている。

 

■バルムンク

エグゾスケルトンを纏って戦う者の愛称。

元々は生身での戦闘が多かったフェイエトールの騎士、兵士の戦闘能力、生還率向上のためのプラン「エグゾスケルトン計画」から生まれた名称であったが、エグゾスケルトンを纏って戦う者の総称となった。

民間にまで広まった現在ではバルムンクの優劣を決める大会も各地で開催されており、名を上げたい企業や傭兵なども多く参加している。

 

 ■ゲイルハウンド

グラキエス社が開発した傑作スーツ。同社のハウンドシリーズの代表的なモデルで、高い基本性能と圧倒的な汎用性、コストパフォーマンスの良さから軍の制式スーツとして採用している国家からフリーランスの傭兵まで広く使用されている。

オプション装備を前提とする事でスーツ自体には極力余計な機能を付与せず、エグゾスケルトンの基本運用理念である「着用者の運動性能の向上」にリソースのほとんどを割いたことで、着用者を選ばない高い基本性能を獲得している。

外付けのオプション装備も豊富なうえスーツ自体のカスタムも容易である為、様々なバリエーションモデルやワンオフモデルが存在する。プラットフォームとしての柔軟性にも秀でており、運用方法に特化したカスタマイズを施した場合、専用モデルにも引けを取らない性能を発揮できる。

代表的な装備は「スマッシャー」。

手持ちのライフルモードとエグゾスケルトンとリンクしてトリガーレスで射撃を行うキャノンモードに変形が可能。折り畳み可能で携行が容易なことから好んで使用するバルムンクも多い。

画像のスーツはワイズ連邦軍の制式採用バージョン。部隊によってはカラーリングや一部形状が異なるが、スーツ自体の基本性能はほとんど変わらず、前述のようにオプション装備によって作戦に適した性能の指向性を変更し作戦にあたる。

 

 ■ストラトハウンド

 グラキエス社が開発した代表的なエグゾスケルトン、ハウンドシリーズの一つで、スピードを活かした近接戦闘に特化するべく軽量化が図られたスーツ。

拡張ハードポイント規格はゲイルハウンドと同一のため、ゲイルハウンド用の装備はもれなくストラトハウンドにも装備が可能である。

ストラトハウンドを纏うバルムンク(装着者)が使用する武器で最もポピュラーなもののひとつがベクターハイド社製の収納式近接複合兵装「ドッペルアドラー」。

軽量かつコンパクトに収納が可能で、一振りで実体刃とビーム刃の両方が使用可能なため、同スーツとの相性が非常に良い。

もうひとつがスーツと同じ開発メーカーのグラキエス社製ハンドブラスター「バシリスク」。

スーツの補助がなくても使用できるほど軽量だが非常に威力が高く、クリプテッドへの牽制だけでなくメインウエポンとしても使用される。

携行シールド「ベラドンナ」は防護面が高強度軽量プラスチックで構成されており、装備状態での視認性が非常に高いため突貫攻撃にも有効である。

右はゴートワルナ軍第107師団所属、ヴィクトリア・ダンテ少尉。白い竜種成体型のClCrを相棒としている。

相手に対する冷徹で容赦のない戦闘スタイルから「氷のヴィクトリア」と呼ばれ恐れられているエースの1人。

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■サイバースケルトン「DOLL」

帝国でエグゾスケルトンと同時期に完成した自立型AIを搭載したサイバネティックボディ。

同系統の技術は総じてサイバネティック技術と呼ばれ、帝国軍技術局第14支部、通称「再生局」が専門に扱っており、主に負傷した兵士のための欠損した四肢を補う義手や義足の開発を行っていたが、ナノサイズの制御チップとスーツから成るエグゾスケルトンシステムの開発と、同分野では最先端を行っていた再生局の既存技術の応用と組み合わせで、エグゾスケルトンシステムとの併用を前提としたサイバネティックボディが完成。あくまでエグゾスケルトン開発の副産物ではあったが、帝国軍の理想のひとつであった「死なない兵士」として現在に至るまで重用されることとなる。

 

マスター契約を結んだ人間からのコマンドによって運用される戦闘ユニットとして、ミッションごとに部隊長(マスター)とスレイブリンクと呼ばる契約(コマンド実行権)を結ぶ。

基本的には個で運用される事は少なく、生還率の低い戦場や大部隊が必要な際の人員補充などに大量に投入されるケースが多い。

それ故DOLLの部隊はマスターの戦略と采配如何で戦果が大きく左右される。

そして戦闘が終わればスレイブリンクは解除され、また新たな指令を待つ。

また、基本的にエグゾスケルトンシステムとの同時運用が前提とされているため、ボディは人間と同規格のスーツを着用するため人工筋肉と合成皮膚で構成されているが、頭部はその必要性がないため強化アルミ合金や強化シリコン製の基本骨格のみ(人間でいう骸骨)で構成されている場合が多い。

極稀なケースとして脳以外のすべてをサイバネティックボディに移し替える人間も存在する。

そうした場合外観上はDOLLなのだが、便宜上あくまで「四肢の多くをサイバネティックボディ化した人間」であり、DOLLではないので倫理観や法律はあくまで人間のそれに準じる。

 

キャスレリアの建国に始まる世界戦力均等化宣言によってDOLLの技術も世界中に流出。現在では主に帝国、連邦両軍で兵士として使用されているが、小国家や民間で使用されるケースも少なくない。

自立思考が可能であるが極端に制限されてるいるため独立行動は基本不可能である。(簡単なコミュニケーションは可能)

 

■D.D.(Drone DOLL)

DOLLの頭部ユニットと簡易ボディで構成された索敵用ドローン。

マスターへ音声と画像情報を送る。様々な外装がある。

 

■クロックワーク・クリプテッド/Cl-Cr/クロクリ 

半自律成長型AIを搭載した多目的ドローン。

軍で運用されていた戦闘用サポートドローン「ハウスティア」をベースに、民間用により多目的な用途で使用出来るように再開発、リパッケージされたクリプテッド(幻獣)をモチーフにしたメカ。

 パートナー登録したユーザーの用途と育成方法により様々な成長をさせる事が可能で、パートナーにはどこまでも忠実かつ経験値を積めば積むほど親密度は高くなるため、現在では一般市民の愛玩用ペットロボットから軍の戦闘用サポートドローンまで、非常に幅広い用途で使用されている。

 基本的に初期出荷時はコアユニットにS型と呼ばれる簡易的な四肢モジュールで構成された「幼体型」と呼ばれる状態だが、AIの成長とパートナーとの親密度に合わせてより複雑で精密な動きができるM〜L型モジュールを組み込んだ「成体」と呼ばれる形態を取る事で、より行動の幅が広がる。

 ただし、ある程度AIに経験値を積ませた上で成長の方向性に見合ったモジュールをセッティングしないとAI自身がそれらを使いこなせないため、パートナーとの行動時間と経験は重要なファクターとなる。

 用途によってはパートナーを限定しない汎用型個体も存在するが、使用者との相性は幼体から成長させたAIに到底及ばず、特に愛玩目的のユーザーは幼体から迎え入れるケースがほとんどである。

 背中の羽根は基部から放出されるラウジールを物質化して力場を形成する事で、浮遊および擬似飛行を可能としており、羽根を任意の形状やパターンで展開可能なため、これを利用した一般企業とのコラボモデルなども多く発表されている。

また、AIユニットの別筐体への載せ替えは可能であるため、理論上永続的な関係性を構築する事も可能だが、AIが筐体の体型に合わせた成長をしているので、別種類への筐体への乗せ替えの場合は1から経験を積ませる必要がある。

 

ちなみにクロックワーク・クリプテッドで採用されている用途や成長によって四肢を換装するというシステムは、ある兵装システムと非常に似通ったコンセプトである。そう、ユングフラウユニットをベースとして、用途によってモジュールを換装することでリーパー、グリムリーパーという異なる二大兵器体系を産み出し、無限の可能性を獲得したリーパーシステムである。

 

■ユングフラウユニット

リーパー、グリムリーパーの根幹を成すコアユニット。

当時帝国相手に劣勢を強いられていた連邦軍が既成概念を打ち破る兵器を求め、中立国キャスレーンで開発された重機レコンビネーターのコアモジュール、E-S(アインシュタイン)ユニットの基本理念をベースに、兵器としてリパッケージした万能兵装プラットフォーム。キャスレーンが持つラウズ鉱石の超高密度結晶化技術を元に開発された超小型制御コアシステムによって、セットで運用される四肢モジュールを適切に制御し運用する。

6m級の汎用兵器リーパーと10m級の大型人型兵器グリムリーパー、両兵器の共通プラットフォームで、リーパーとグリムリーパー両モジュールの混合構成も可能という脅威的な柔軟性を有する。

人体で言うところの胴体、肩、太ももで構成されるものが多く、腰部にバランスコントロールセンサーがあり、セットされる四肢の種類によって背骨、肩、股間の位置をオートで調整、背中に当たる箇所にコックピットモジュールを接続、機体を操縦する。

そして、ユングフラユニットを根幹とするリーパーとグリムリーパーという二大兵器体系を構成する兵装システムは「リーパーシステム」と総称される。

 

当初連邦が独自に運用していたが、軍需産業大国キャスレリアによってクリプテッドに対抗する手段として世界中にこの兵器を入手する機会が均等に与えられ、その際ソケット規格は世界共通となった。そのため敵対勢力同士の四肢モジュールや武装に互換性があるという、兵器としてはある意味ナンセンスな特徴を持つ。

 

■リーパー 

ユングフラウユニットに簡易的な腕、脚、頭部にコックピットモジュールをセットした6m級の汎用兵器の名称。

簡易的とは後述のグリムリーパーと比較した時の表現で、実際には戦闘用レコンビネーターなどを遥かに凌駕する出力と器用さ、堅牢さを持つ。

 

頭部はカメラとセンサーの集合体だが、それらを別位置に配置し頭部ソケットに機銃座などを設置して複座仕様にするタイプも多く存在する。

腕部は初期は簡易的なマニュピレーターしか備えておらず、腕部に武装を装備する際は下腕ハードポイントに接続する構造だった。が、グリムリーパー用のαグレードモジュールの開発で得た技術的フィードバックにより、リーパーサイズの精密作業にも対応した五指タイプの小型マニュピレーターが登場して以来、ハンドグリップが可能なタイプが主流になっている。

脚部は太ももまでがメインユニットにパッケージングされているので膝から下のモジュールを交換する構造になっている。勿論歩行も可能だがどちらかと言えばホバーやスラスターなどの推進補助ユニットとしての役割が主である。

また、基本的には人型が多いが、非人型タイプのバリエーションも存在する。

 

■グリムリーパー

ユングフラウユニットに大型の腕、脚部、頭部にコックピットユニットをセットした10m級の大型人型兵器の名称。

 リーパーよりも人型に近い体型、動きが特徴で、リーパーでは対処出来ない大型クリプテッドや戦場の趨勢を決定づける決戦兵器として投入される。現時点で単体としては人類が保有する最強の機動兵器といえる。

 

 ■リンカー

αグレードグリムリーパーを操縦するためのインプラント施術「リンケージ」を受け、身体にナノサイズのモジュールリンクデバイスを埋め込んだ者。

通常、リンカーでないとαグレードモジュールをセットしたグリムリーパーを操縦することは出来ない。

 

■αグレードグリムリーパー

ユングフラウユニットの性能を最大限まで引き出すためにサイバネティック技術の応用で開発された高性能の四肢「αグレードモジュール」をセット、常人ではまとも動かすことすら出来ないそれらをコントロールするため、宝玉を体内に埋め込んだリンカー専用のグリムリーパー。

リンカーが搭乗することでユングフラウユニットのOS内にこれらのモジュールのために組み込まれた追加プログラム「シンセティック·モーション·システム(SMS)」(制御デバイスと専用スーツを通してリンカー自身の反応速度を機体にダイレクトに伝えるシステム)がアンロックされ、自身の肉体に近い、より感覚的な操縦が可能となる。

共通のプラットフォームにセットされるが構造と性能が異なること、高性能ゆえインプラント施術を受けたパイロットにしか扱えないことなどから、運用上既存モジュールとの差別化が必要となり、これらのモジュールをαグレード、既存のものをβグレードとグレード分けをするようになった。

 

■βグレードグリムリーパー

一般兵(非リンカー)用グリムリーパー。グリムリーパー誕生以来しばらくはグレード分けという概念は存在しなかったが、高性能なαグレードモジュールが誕生してからは基本的に他すべてはβグレードに分類される。

ただ、αグレードモジュールはその高性能さ故にそれなりに高コストな上にパイロットの​リンケージ処置、練度も必要とされるなど、兵器としては様々な面でピーキーであった。それに比べてβグレードモジュールは、パイロットの習熟訓練期間も短く生産性も高い上に安定した性能を誇り、加えてリーパーモジュールとの相性も良い。

つまり

αグレード→様々な条件を度外視して性能の限界を目指したハイスペックな機械

βグレード→限界よりも安定した性能と生産性に重点を置いた信頼性のある機械

と言える。

総合的に見ても決して兵器としてαグレードに劣るものではなく、開発、運用は積極的に継続された。その信頼性からβグレードを好むパイロットも多く、現在に至るまでグリムリーパーモジュールの生産数割合は圧倒的にβグレードの方が多い。

そしてパイロットの操縦技術やセンス、機体への熟練度次第ではαグレードと同等の性能を発揮することも可能である。

 

■イーグレット

βグレードを代表するグリムリーパー。

グリムリーパーがグレード分けされていない運用初期から現在まで主力として運用されている名機中の名機である。

現在はコックピットシステムを刷新した近代化改修型が多い。

バリエーションも最も多く、リンカー専用機体がαグレード、一般仕様がβグレードとグレード分けされているにも関わらずイーグレットを好んで使用するリンカーも多い事からも機体の優秀性が伺える。

ちなみにαグレードモジュールの登場以来一般的なマニュピレーターは小型化されているが、GRサイズが必要とされる作業や、大型クリプテッドとの格闘など、単純に「手が大きい方が便利」という場面も多く、意外と旧式のマニュピレーターをそのまま使用しているケースも少なくない。

この場合現在の主流であるグリップ式の銃火器は規格が合わないのでマニュピレーターでのコントロールはできないが、CFC(Control From Cockpit)方式への切り替え可能な武器であれば、機体の各ハードポイントへ装備することで運用が可能になる。

 

■エーデルシュタイン 

ワイズ連邦軍内で進められていた新型機体制御OSと対応シンセティック・モーション・システム(SMS)の実戦運用のためのプロジェクト「シュタイン計画」のテストベッドとして建造された「シュタインシリーズ」のうちの一機。確認されている5タイプのうちエーデルシュタインはタイプ2と呼ばれる機体である。

タイプ3まではユングフラウユニットを含め機体のほとんどのモジュールが当時の連邦軍の主力量産αGR「ヴィルトガンズ」と共通だが、四肢に使用されているSMSは専用にチューンされたものであり、背部に装備された機体制御モジュール「グランツ・ゲフィーダー」の性能も相まって機体反応速度が桁違いに高い。

「宝石」の名を冠すハイスペックな機体であるが、実戦投入のための評価試験中にはその外観とピーキーな機体性能から「ホワイトラビット:白兎」の愛称で呼ばれていた。

上述のようにヴィルトガンズとの共通パーツが多いため、便宜上ヴィルトガンズXタイプ(フリンジタイプ)に分類されるが、シュタイン計画のテストベッド機体としての個別の形式番号も与えられており、つまりふた通りの形式番号が存在する。

最終評価試験中の事故によりタイプ2はロスト。実験施設が丸ごと消失してしまうほどの大爆発で、原因はコアの暴走とされいるが真相は不明。残り4機もそれぞれ解体、消息不明となり、計画は頓挫。骨子を継承した計画が再開されるまで12年の時間を要することとなる

 

■特殊なコアを持つユングフラウユニット

ユングフラウユニットの根幹を支えるのはユニットの心臓とも言えるラウズ結晶体製のコアである。基本的にコアの性能は同一とされているが、実はその結晶体の純度や採掘地域、精製方法など、様々なファクターによって性能の誤差が生じる。そして極稀に爆発的な性能を有するコア、通称レッドストーンが存在し、その性能を遺憾無く発揮できる機体の開発/実験が「シュタイン計画」の正体の一端であり、この計画のために製作された機体がシュタインシリーズ、エーデルシュタインはその一機であった。

リーパーシステムの性能を飛躍的に向上させる可能性を秘めたこのコアに関する機密漏洩を防ぐため、建前上シュタインシリーズは運用する部隊内でも「新型機体制御OSと対応SMS搭載の実験機体」という事になっていたのだが、そのレッドストーンの暴走という最悪の形で計画は頓挫する事となった。だが、暴走を誘発した原因に関しては一切の情報が伏せられている。

 

■エーデルシュタイン​II(ツヴァイ) 

12年前、試験中の事故により実験施設ごとロストした初代エーデルシュタインのコンセプトを継承してワイズ連邦所属国ガーディアルで再開発、建造されたαGR。

計画のコンセプトが継承され、初代エーデルシュタインとは外観に共通点が見られるためII(ツヴァイ)の名が冠されているが、フレームから全く新規の別機体である。

 

テストベッドとして3体建造された機体は出力係数が極端に高い特殊なコアを搭載しており、そのコアの性能を十全に引き出す為に開発されたユングフラウユニットGT-SCR505e型「シュナイダーII」と、高出力かつ新型SMS搭載で反応速度が向上した四肢モジュールで構成される。

その高出力によって機体にかかる負荷熱を処理するために、各所の放熱ユニットが大型化されているのは初代から継承された特徴である。最大出力時はパイロットが耐えられない程の高負荷がかかる為、専用OSに加えてコアの出力を調整するためのリミッターとも言える機体制御用のサブプログラム「ルーシア」を搭載、常時機体を管理しているが、その状態でも現状のαGR中トップクラスの破格の機動性を誇る。

この特殊なコアが12年前の爆発事故の原因とされているレッドストーンと同一かどうかは不明だが、時を経て「特殊なコアを制御する」事に於いて一定の成功を収めたと言える機体となった。

 

特殊コアとその出力に耐えうる器として開発された本機だが、故にその機体は通常のコアを搭載した場合でも従来機を凌駕しており、通常コアを搭載し、予めリミッターが組み込まれたOSを搭載した先行量産機が試験的に各戦線のエース級パイロットに優先的に配備されている。(故にこちらはルーシアを搭載していない)

 

先行量産機のスタンダードカラーは白×紺。このカラーリングは初代エーデルシュタインを踏襲したものだが、特殊なコアを搭載しテストに使用された3体のオリジナルモデルは異なる外装とカラーリングが施されており、それぞれハイペリオン、オケアノス、クロノスと呼称されている。

先行量産機はそれぞれエース級の部隊やパイロットに配備され、戦場に於いても華々しい活躍を遂げているが、並のパイロットではその性能を十全に発揮できず機体に振り回されてしまうため、パイロットの技量と機体性能、両方が揃ったからこその成果だと言えよう。代表的な機体としてはガーディアル本国特殊部隊「ブラックラビッツ」、ジャマハール国の「デザートキャヴァリィ」、旧フランスの国営傭兵部隊「エフェメール」など。

3体のオリジナルモデルもそれぞれ実戦投入されているとされているが、真偽のほどは定かではない。

 

機体と同時に開発、肩部ハードポイントに装備されたオプション兵装「ハーゼンオール」は長距離ジャンプユニットで、単体では飛行能力のないGRを長距離ジャンプによって擬似飛行させたり、敵射程外からの高速突撃などにも用いられる。

腰に装備された実体剣「ヴィルトシュヴァイザン」には補助ブースターが装備されており、斬撃時にブーストをかける事でその威力を高めるほか、本体装備時は機体制御用ブースターとしても運用される。

 

■DHネルシオン社製P-451-E マルチパーパス·ウエポンシステム「ヴィレッタII」

連邦軍のグリムリーパーが装備する汎用ウエポンシステム。作戦によりバレル、補助武装などを換装可能なビーム/実弾複合兵装で、マニュピレーターや各ハードポイントに装備することでPT-AM(Pull Trigger At Manipulator)方式からCFC(Control From Cockpit)方式に切り替え可能。

 

■フォーゲルグ 

エーデルシュタインII用に開発されたユングフラウユニットGT-SCR505e型「シュナイダーII」。そのテイクダウンモデルであるn型(外観の差異は太もも装甲のみ)をベースにビルドされたリーパー。

頭部、腕部、脚部ともに汎用性/生産性が高くパイロットからの評価も良好で、連邦加盟国内の多くの組織で先代主力機であるフェンリル改からの機種転換が行われている。

また、製造元であるDHネルシオンから積極的に輸出されており、連邦以外の国家や傭兵に至るまで幅広く運用されている。

基本的にGT-SCR505e型をベースに構築されている機体はすべてフォーゲルグなのだが、ユニット構成の違いや配備先などにより、便宜上別のペットネームが付けられており、そちらが通名になっている事が多い。強行突撃用のホバーユニットを組み込んだ「パンヘッド」や複座型の「オルトロス2」など、外観は違えど制式名称はすべてフォーゲルグである。

 

■バッテリー 

リーパーシステムの機体は外部バッテリーによりエネルギーであるラウジールを供給する。

ラウジールは非常にエネルギー変換効率が高いため、グリムリーパーであればSサイズのバッテリー一本で約1時間、Mタイプで約2時間、Lタイプで約3時間の稼働が可能である。

ちなみにバッテリーに関しても各勢力ともに規格は共通であり、戦場で敵勢力のバッテリーを奪取、そのまま自分たちの機体に使用するといった例も少なくない

Database is updated regularly.

用語、内容は随時更新予定です

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