続・ゲイルハウンドのテストショットを組んでみました2
前回溢れてしまったゲイルハウンドの可動に関して続編です。
前回の記事はこちらよりご覧ください。
それでは早速続きの脚部から!
脚部
股関節は可動範囲拡大のため左右別個に上下スライドする軸構造を採用しています。
▲股間軸を下方にスライドさせることによって太ももの可動域を拡大させる構造。
コトブキヤさんの各キットにも採用されているスタンダードな構造です。
更にもう一段階、太もも上部の装甲を通常位置から取り付け位置を下に変更する事で、股間部との干渉タイミングを遅らせ、より太ももの可動範囲を拡げることが出来ます。
▲赤いブロックの位置を下方向に変更することで更に太ももの可動域が拡がります。
▲ブロックを下げることで自然な感じに肘付き開脚なんかも出来てしまいます。自分は出来ません。
このブロックはスライドギミックを入れずに敢えて位置差し替え式にしています。
スライド式も検討したのですが、可動が集中する部位にギミックを追加することで構造が複雑化してしまい分割の必要が生じ、結果としてこのギミックのためだけにパーツ数が増えてしまう為、簡潔な構造で位置決めも固定も確実な位置差し替えとしました。やれる事を全部詰め込むのは(価格などを度外視すれば)技術的な不可能はないと思いますが、果たしてそれがユーザーフレンドリーなことなのか?という、これも取捨選択、落とし所のひとつです。そして物事は複雑化させるよりも簡潔にする方が存外に難しいのです←真理
そんな哲学はさておき。
そしてこのキットの可動の特徴の一つと言えるのがスネ部分での前後スイング可動。
人体の構造上、膝関節を深く曲げた時に太もも裏/ふくらはぎが始めに干渉します。
プラモデルやアクションフィギュアではそれを回避してより深く曲げるために、膝関節の可動域を広げるための切り欠きを大きく取ったり太もも裏を抉ったり可動式にして沈み込ませたりするのが常道ですが、今回は違うアプローチでこれを実践してみました。
スネに可動軸を設けることで、双方がより密着した状態を再現するという方法です。
▲正位置。赤丸が可動箇所です ▲前に曲げた状態 ▲後ろに曲げた状態
▲膝可動だけでもイイ線行ってると思いますが、スネの追加可動で更に密着します。
▲密着します。正座させて飾っておくことはあまりないと思いますが、効果てきめんです。
そして可動範囲の拡大だけではなく、動きのあるポーズをとらせた時にスネの「しなり」を表現することが出来、より躍動感のあるポージングが可能になります。
個人的にはむしろこちらの効果の方が嬉しいかもしれないです。
▲右足の綺麗な畳み、左足のスネのしなりと足首の踏ん張りが動きに勢いを作ります。
▲側面から。両足の状態がよりわかるかと思います。
▲踏ん張りが効きます
▲流れるような動きです。自画自賛。
▲左足側から。スネ〜つま先の反り、しなりが美しいです。好きです。
▲右足側から。太もも/膝下が密着して左足に対してコンパクトにまとまり、しなやかに伸びた左足と力が凝縮された右足のコントラストがスネ可動によって更に強調され、動きに流麗さとダイナミックさが加味されています。
喋りすぎですか?キモいですかね?でも好きです。
ちなみに足首カバーは、足首を前方へ深く曲げた時に干渉しないよう上方向へ跳ね上がるように可動します。
胴体
可動編、いよいよ最後は胴体です。
最も装甲が重なり合う場所ですが、それぞれがポーズに伴い可動することで、外観を損なうことなく胴体の可動範囲を確保しています。
まず前屈方向。
干渉するみぞおち装甲が跳ね上がり、腹部クリアパーツ部分上部が奥へ引っ込むことで胸部の前方可動範囲が広がります。
腹部の前方への可動範囲は腰部前側装甲が前方へせり出すことによって拡大します。
▲胴体前屈可動。外観を損ねることなく可動しています。装甲の重なり合いが心躍る箇所でもあります。
横方向への傾斜可動は、脇腹装甲が可動することによって可動範囲が拡大します。
▲脇腹装甲が外側に開くことによって可動範囲を確保しつつアウトラインを繋げています。
▲先ほど掲載したポーズの別角度からのカット。胴体が前後左右に捻れつつも破綻のないアウトラインが形成されています。
という訳で2回に渡りゲイルハウンドの可動について解説させていただきました。
長文お付き合いいただきありがとうございました。
・動かしたい方向に満足に動かせる
・動かした時に身体のラインが崩れない
これらのコンセプトが少しでも伝われば幸いです。
次回は付属武器「スマッシャー」について解説したいと思います。
こちらもちょっと面白い出来になりましたので引き続きよろしくお願い致します!